追悼・ノムさん 野村克也②

「勝ちに不思議な勝ちあり 負けに不思議な負けなし」

この言葉は野村克也氏の書籍に度々出てくる、私の最も感銘する言葉です。『勝因、敗因という言葉があるように、成功しても失敗しても、なんらかの原因があるものだ。しかし、長く勝負の世界に生きていると、ラッキーとしか言いようのない、勝利を拾えることがある。タイムリーエラー、走塁ミス、押し出し四球…など。相手のミスや自滅で勝ちが転がってくるものが、それに該当する。ところが、負けたときには明らかに理由が存在する。負けるべきして負けているのだ。準備は万全だったか?初歩的なミスはなかったか?など、チェックすべきことは山ほどある。「負けに不思議な負けなし」負けはアンラッキーだけで片付けていては、いつまでも勝つことはできない。私は負けたときはなぜ負けたのか、どんな問題があったのか、それを必死に考え勝利に転化することを心がけてきた、それが弱者の戦い方。勝って教えられることより、負けて教えられることの方が断然多いのである。』

 

私自身、2014~2018年まで数々の事業に投資をし、失敗を繰り返しました。過去の失敗事業として、食医食料理教室、焼鳥屋、ONE PIECE&バカラ、ブックカフェ、イタリアンレストラン、コスプレスタジオ、アイドルステージ、芸能プロダクション、洋菓子店、キャラクターカフェ、版権ビジネス、介護事業、など数えればきりがありません。当時の私は、その事業の勝ち負けよりも、やってみたいビジネスをやる、そんな事業欲に取り憑かれていました。私を含め多くの経営者は「いかに勝つか」の答えを導くために、勝つために戦略を積み上げていきます。どちらかというと、攻撃型の人が経営者になる事が多いように思います。しかし、何度も何度も失敗して、その失敗の経験から掴んだ答えは勝つ事も重要だが、負けない事の方がもっと重要だと思うようになりました。負けない経営を突き詰めていくと、負けには負ける理由が明確にあることがわかりました。まさに「負けに不思議な負けなし」という言葉通りだと思います。企業経営には社長の人となりや性格、人格、人間性などが色濃く反映されます。成功する事業、失敗する事業、何が違うのか?社長の能力、時代の流れ、今の自分のポジションはどこにいるのか?など、すべて社長次第と言っても過言ではありません。

2020年、これから始まろうとしているコロナ大恐慌では、まさに経営者の真価が問われるように思います。多くの経営者から、「どう乗り越えるのか?」を聞かれます。私はいつも「あきらめること」と答えます。「あきらめること」というのは、コロナに対して、「無理です」「勝てません」と白旗を上げることではなく、自分のできること、できないことをしっかり自覚する。今、目の前の敵であるコロナ環境下で、できることを考え、向かっていくことだと思います。仕事や人生、この世のあらゆることに通じる話ですが「すべてに勝つ」必要はないし、そんなことができる人はいません。頑張ってきたけど、ここは捨てようという「あきらめ」、すなわち取捨選択が勝ちや成功につながっていくように思います。「すべてを守ると、すべてを失う」この言葉通り、何を捨てるのかを決めて、すぐに捨てる勇気が必要だと思います。

コロナについては、来月号で詳しく書こうと考えていますが、すぐにやろうと思っていることを書かせていただきます。①ちょっとだけでも成長する、毎日が同じではダメ、毎日少しずつでいいから工夫や勉強をする②少しでもいいから右肩上がりのトレンドにする、必要なもの以外はすべてを捨て身軽になる③数字はウソをつかない、数字を用い、今自分がいる場所を把握する④いつまでに、どこに行くのか(目標)を決定し、今できることを一つずつやる(計画)⑤一番得意なことで、勝てそうな戦いをする、できそうなことを全力でやる

 

緊張感のある毎日が続きますが、皆様健康を最優先に、収束を目指して、負けずにがんばりましょう。

2020/06/01