Column / 社長コラム 社長コラム

2016.12.01

歩み

夏の男旅で息子たちと久しぶりにゆっくりと語り合いました。今回のテーマは「どんな人生を歩むのか?」長男21歳大学3回生、私の実家で生活費を与えられ一人暮らし、もちろん学費の支払いも私持ち。次男18歳カナダのハイスクール3年生、ホームステイしながら学校へ通う、もちろん全ての支払いは私持ち。二人とも俗に言う典型的なボンボンです。そんな息子たちに将来について何か考えていることがあるのかを聞いてみました。息子たちから「豊かに暮らしたい」「人生を謳歌したい」と過程のない結論が返ってきました。堅実な答えをイメージしていたので意外に思いましたが、息子たちの答えには何をして「豊かに暮らす」のかがありません。自分自身の20歳の頃を振り返ると、成功だけを夢見て東京に行きましたが、足がかりすら見つけることができずに逃げ帰ってきたことを思い出します。今考えると何の能力も実力もなく、たいした経験もない私が成功するわけがないことは当然でした。

私は息子たちに「豊かに暮らす」には、どのように人生を歩まなければならないかを話しました。
1つ目は「行動することの大切さ」です。目標設定をいくらしても、行動しなければ何も始まりません。行動するためには、目標設定ではなく、行動計画を立てることが大事です。目標設定ばかりしていて、いつまでたっても行動できない人がたくさんいます。「ああなりたい」「こんなことをしたい」「あれが欲しい」とばかり言っていても何も手に入りません。「そのためにどう動く」が行動計画です。
2つ目は「人生はノリが大事だ」ということです。人生を歩んでいるといろんな出来事に遭遇します。チャンスもあればピンチも有りますが、チャンスとピンチはいつも表裏一体のように思えてなりません。過去の出来事を思い出すと大抵がチャンスの中にピンチの要素もあるし、逆にピンチの中にもチャンスの要素がありました。出来事をチャンスと捉え「チャンスに飛びつく」こと。フットワークの軽さ、好奇心の強さ、リスクを承知で飛び込んでいける小さな勇気、その全ての総称を「ノリのよさ」と考えています。小さな成功体験の前には、小さなチャレンジがあり、その小さなチャレンジは「ノリのよさ」から生まれます。ノリの悪い人は人生の波にも乗っていけません。シンプルに考えると全ては「ノリのよさ」から始まるように思います。
3つ目は「決断のルール」です。息子たちも、私の20歳の頃もそうでしたが、何がやりたいかが決まっていませんでした。

たかだか20年の人生、そして大半を親に守られ生きてきた経験や知識の中で、やるべきことが決まっている人は、稀に自ら考えることのできる頭の良い人もいますが、大半は親に守ってもらえず、自分でしっかり生きなければならない環境、もしくは生まれながらに歩む道が決まっている環境で生まれてきたかです。「決断のルール」で大事なことは、あらかじめ未来を予測することです。知っておくこと、考えておくこと、いつも頭を動かして、こうなればどうする、ああなればどうすると、詰め将棋のように考えておくことが必要です。それでも、自分の決断の枠を超えている場合は信頼する人の言うとおりにすることが大事だと考えます。
最後に息子たちにこう伝えました。「他人に迷惑をかけぬこと。人の役に立てる人間になること。人を喜ばせることのできる人間になること。金や名誉などはそれについてくるにすぎない」。

2016/12/01