革命のファンファーレ

 話題のカルロス・ゴーンが2年ほど前に「未来、日産のライバルになる企業はどこですか?」との質問に「グーグル」と答えていました。トヨタやフォルクスワーゲンなど の車業界ではなく、IT 業界と答えたことに、その時は驚きを感じました。しかし、IT 業界の仕事に少し関わっている最近、思うことはゴーンが恐れるぐらいグーグルの進化 は目覚ましいのだと。テクノロジーの変化はかつてないほど早く、今までのルールや枠 組みが時代遅れだと感じるようなスピード感で進化しています。過去のデータを正しく 分析することは最早意味がないことのように感じます。30 年前に宅配牛乳屋というビ ジネスモデルを選んだ理由は「高齢化社会到来(世界一の長寿国)」「健康志向(スポー ツクラブ増加)」「努力しない牛乳屋」この3つがポイントでした。案の定、この業界の 中で販促努力をした結果、多店舗展開、拡大路線を歩むことができました。しかし、こ の業界は牛乳屋 VS 牛乳屋という戦いによる、ゆっくりとした淘汰から、デジタル革命 による急激な淘汰へと変化しています。ライバルの存在が牛乳屋から Amazon、楽天、 おいしっくすなどデジタル企業へと変わりました。「牛乳だけ」から「牛乳もある」そ んなビジネスをしている業界と戦うには、相手に負けない武器を持ち、変貌しなければ 業界ごと生き残れないように思います。デリバリーも近未来は自動運転やナビゲーショ ンの進化により劇的に変化するだけではなく、デリバリー方法すらドローンなどに変化 していくのかもしれません。ワクワクする未来が迫ってきています。この波に乗り、自 分たちの手で、世界の輪郭に触れ、自由で新しい秩序を作り直さなければなりません。

 

我々牛乳宅配業界は、大手牛乳メーカーの意向の沿った形で、ルールを受け入れなが ら、なんとなく与えられた枠のようなものの中で生きてきた気がします。今まではそれ で良かったかもしれませんが、今から戦うことになるデジタル業界を相手に、それでは 生き残れません。大手メーカーの枠をはみだし、大手メーカー同士の壁を越えなければ なりません。ルールや規則を守り枠の中で生きていては変えることはできません。これ をしたら叱られる、あれをしたら潰される。それがどうした、そんなのことは関係ない。

 

新たな時代の本物は、誰かの作った枠をはみ出し、強烈な個性で自己主張をしなけれ ばなりません。そうでなければ、人々の心を動かし、魅了するようなビジネスモデルを 生み出すことはできません。予定調和は必要ない。与えられた仕事を段取り通りこなす。 そんな仕事のやり方は過去の話、無理と言われたら突破する。ダメだと言われても強行 する。半ば意識的に予定調和を破壊し、ありえない日程で計画を遂行する。多くの圧力 に対して無視し、オレには関係ないを貫く。誰に対しても、どんな場面でも、大きな声 で未来ビジョンを語り、言いたいことを言う。いつ潰されてもおかしくないから、危機 感が生まれ、どこに宝が埋まっているか分からないから血が騒ぐ。ギリギリの綱渡り、どっちへ転ぶか分からない危うい状態を走りながら楽しむ。そうやって初めて時代を変 えることができる。

 

こんな時代に対処するためには幼稚園児のようになろう。まっさらで身軽、目の前の ことを本能と直感で要望のまま受け入れていく人間が一番強い。いつでも幼稚園児、お やじになるな。勝ち残れ。おやじの言うことはすべて聞くことはない、そのかわりに誰 よりも動け。幼稚園児の表情はコロコロとカメレオンのように変化する。転んで頭を打 ち大泣きしていても、次の面白いものを発見した途端、大泣きをコロッと忘れてまた走 り出す。ほんの少し前に涙を流していたかと思うと、涙が枯れないうちから、ケラケラ 笑い出す。目の前に食べたいものがあると口へ放り込む、どんなに騒がしい環境であろ うと寝たければ寝る。やりたいこと、思ったことを即実行に移す。幼稚園児は無敵だ。 人生とは幼稚園児のままどこまで走れるかを競うレースのように思えます。誰もが大人 になっていきます。学校で洗脳され、会社に飼われ、常識を知り、ルールを覚え、人間 関係に縛られていく、そして、「ありのままの自分」を忘れていきます。破天荒な人生 は映画や小説の主人公に任せて、世の中に溶け込むことを受け入れる。幼稚園児レース から一人、また一人脱落していきます。常にありのまま、嫌なものは嫌、好きなものは 好き、やりたいことをやる、やりたくないことはやらない。

 

宅配牛乳ビジネスモデルが生き残るためにやるべきことはなんだろう。違う業界と手 を組む、営業はデジタル化、7時までに届ける早朝デリバリー、メーカー間の壁を越え 共同配達で効率アップ、小荷物も届ける。朝食を届ける、新聞を届ける。仕事が欲しい 運送屋と配達員の不足している牛乳屋とのマッチング、昼間は御用聞き、仕組みを変化 させる、やり方を変化させる、どんどん変わりゆく変化の波に対応する。誰もが踏み込 んだことのない未体験ゾーンへと歩みを進めていこうと思う。最初から負けることを考 えて戦いに行く馬鹿はいない。

「正しいことより楽しいこと」「過激にして愛嬌あり」「努力より夢中」 皆様にとって素晴らしい一年でありますように。今年もどうぞ宜しくお願いします。

 

2019/01/01