Column / 社長コラム 社長コラム

2025.07.01

ニュースレター

 約3年前から株式会社デミック及びグループ会社では『ミルクでべんり』という、べんり事業を始めました。べんり事業とは、クーラー、換気扇の洗浄や取替交換、木の伐採や草むしり、ペンキの塗り替え、不用品の回収、買い物代行など、お客様の高齢化に伴うお困りごとを解決することを目的にしたサービスです。べんり事業を始めたきっかけは、元デミック社員が起業して行なっていたべんり作業が牛乳屋顧客のニーズに合うのではないか?このような発想で始めることになりました。
 元社員はいつの頃からか、お客様向けチラシにニュースレターと称したコラムを書き始めました。自分自身の何気ない日常や近況を書くことで、お客様からの信頼や共感を得るのに、とても役立っている、と経験から言っています。何度もリピートするうちにべんり作業従事者は高齢顧客のヒーローのような存在になっていくこともあるようです。ところが、べんり事業に配属された牛乳宅配社員はこのニュースレターを苦手に思う人もいます。それには「自分自身のことを書くのが恥ずかしい」や「ニュースレターを書く行為がお客様の信頼や共感を得ることに繋がっているか疑問である」といった理由があるようです。
 最近のべんり事業の会議中に「社長はデミック通心で毎月コラムを書いていますが目的は何ですか?」このようなことを質問されました。考えてみると、私がコラムを書き始めて30年以上になるので、初めのきっかけは明確には覚えていませんが、お客様にデミックのことをわかってもらいたい、そのような思いだったような気がします。それが最近はデミックのことだけではなく、自分自身の考えや心情などを書くようになり、近頃はお客様向けに書くというより、自分のために書いているように感じます。例えば挨拶の言葉を作るときにも私はデミック通心のコラムを活用します。
 私の人生におけるコミュニティの根幹はJC(青年会議所)という団体です。JCで私は挨拶をする機会が多く、その題材作りにコラムを書く作業がすごく役に立っています。コラムでは日頃の自分自身の考え方や心情を書き留めているため、いろいろな場面に合わせて、今回はこのコラムから引用しよう、といった使い方をしています。また、長年コラムを書いていて良かったことは、書き上げるまでの時間が早くなったこと(文章力が向上)、日頃の気づきを書き留めるクセ(情報収集能力)がついたことです。
 経営者にとって、文章力=人に伝える力は、すごく重要だと思います。人と人がコミュニケーションを取る場合に、互いの背景、歴史、経験、ステージなどで言葉が通じない場合が多々あります。言葉では理解できない事も、文章・文字にすると、相手に伝わりやすくなるように思います。恥ずかしながら、私もお客様や知人から「今月のコラムは良かった」と手紙やメールをいただくと、嬉しかったり、励みになったりしています。そのため、「ニュースレター」に苦手意識のある社員の書く言葉こそ共感を得られるきっかけがあり、大きな価値があるように思います。ひょっとしたら未熟な文章ほどお客様からすると面白がってもらえるかも。このべんり事業は信頼の輪を広める仕事だと思います。その第一歩が「ニュースレター」となれば幸いです。