Column / 社長コラム 社長コラム

2020.07.01

コロナ ①

2020年1月、中国武漢から始まったコロナ感染症は、2月韓国、3月ヨーロッパ・アメリカ、4月日本、5月ブラジル・メキシコへと、感染者を世界中に広げ、日々多くの国で感染者数を増やし続けています。今はコロナがクローズアップされていますが、これまでの人類は多くの感染症と戦ってきた歴史があります。ここ50年に発症したウィルスはエボラ、サーズ、マーズ、エイズ、インフルエンザなど多数ありますが、WHOや各政府が承認したワクチンはまだありません。もう少し歴史を遡ると1918年に発症したスペイン風邪はその時の世界人口17億人のうち、5億人に感染し、5千万人が死亡しました。これは第一次世界大戦により兵士が全世界にウィルスを広げてしまったからだと言われています。発症から収まるまでに3年間を有し、3波に渡って襲ってきました。それ以前も、何百年も前からコレラ、チフス、ペストなどのウィルスと人類は戦い続けています。

4月初旬、日本は非常事態宣言が発せられました。飲食店やデパードなどほとんどの店が非常事態宣言により自粛休業となりました。これにより私自身の生活も一変しました。コロナ以前は関西に住みながら、東京、九州、名古屋、そして海外と月の半分以上を出張して会議、商談、懇親会などで忙しく動き、食事もほぼ外食、まさに家には寝るために帰るという生活を送っていました。約1ヶ月半の自粛生活は出張や毎晩の会食は中止となり、自宅で家族とともに食事をし、出張は取りやめて会議はリモート、商談もリモートで済ませました。まさに仕事のやり方が変わり、生活が変わり、人生を変えようとしています。コロナで大変な状況の中、申し訳ない話ですが、毎晩、家で家族と食事をし、何気ない家族との語らいに喜びを感じ、以前の忙しすぎる日常では考えられないギフトをいただいたように感じています。会社の運営は、移動を自粛、集まっての会議も自粛、社員や取引先との懇親会も自粛し、リモートのミーティング、会議、商談と変わりました。すると、それまでの移動の日々が嘘のように時間が余り、それにより考える時間を多く取れるようになりました。それまで当たり前だった仕事のやり方が、コロナにより気づき、もう元へ戻れない仕事のやり方となりました。新しく導入したリモート会議は、今までの会議より多くの社員とコミュニケーションが取れるようになり、一層社員の仕事ぶりを明確にしていまい、私も真剣に社員と向き合う仕事ぶりが必要となりました。多分業績は上がると思いますが、私にとって、社員とって、良いような悪いような話となりました。

私自身、コロナによって考え方や生活習慣、そして人生そのものが変わっていくことを感じていますが、日本中の多くの方々が、このコロナによって厳しい人生を生きなければならなくなったように思います。そんな方々に芸能界から激励のメッセージが届いていたのをテレビで観て心動かされたので紹介します。『今まで、当たり前のように身短にいた人が、突如いなくなってしまう。そういった経験をされた方は僕以外にもいると思います。今まで当たり前のようにあった世界が急に変わってしまう。今はそういう時代かもしれませんね。ただね、暗闇は暗ければ暗いほど、小さな光だって輝いて見える。今まで気づかなかった小さなこと。当たり前のようにあった日常が実はすごく大切なことだったんだね。自分にとってどれだけ素晴らしい人が周りにいたんだろう。素晴らしいことが周りにあったんだろう。とても考えさせられます。今までは気づかなかった小さな光、それを皆さんが信じて、それが大きな光となって照らしてくれるように、そして1日も早い夜明けが来るように、みんなで協力しあって頑張れればと思っています。神は耐えられない試練を人に与えない。僕はこの言葉をいつも信じて生きていきます。何かあるたびに強くなってきたから、これを乗り越えたときは皆さんもきっと強くなっているんだろう。音楽家として微力かもしれないですが、少しでも力になれれば。1日も早い夜明けが来るように頑張りましょう。皆さんの健康と安全を心より祈ってます。がんばろうね。~X・JAPAN YOSHIKI~』

コロナは長期化するでしょう。経済的な打撃は大きく計り知れません。私たちが、今考えるべきは「元に戻す」ではなく新たな価値観や概念を「一から作り直す」ことではないでしょうか。今までの時代は、右肩上がり、大きいこと、たくさん売ること、これらを良しとしてきました。品質も、もう十分です。デジタルカメラの画素数はまだ増やすのでしょうか。盛れるし、シワも消せる、もうお腹いっぱいです。昔、あるコンサルに言われたことがあります。「年商はどれくらい?従業員数は何人くらい?」それに答えると、「もっとやれるよ、もったいない、◯◯億くらいすぐいくよ」と。これから始まるWITHコロナの時代は、昭和の時代に活躍した社長の価値基準やステータスを覆して、新たな価値基準へと塗り替えていくように思います。私はこの新たな時代を前向きに千載一遇のチャンスと受け止めようと決めました。過去の思い込みに終止符を打ち、数が大きいことが偉い、立派、成功という思い込みを捨てることから始めていこうと考えます。「大富豪は大恐慌からおこる」

2020/07/01