Column / 社長コラム 社長コラム

2016.09.01

シェアリング・エコノミー

近年、世界規模で世の中が激変していると感じます。日本が世界に誇っていた家電メーカーは台湾、韓国のメーカーにあっさりと負けました。長年世界第2位の経済大国だった日本は中国にその座を奪われました。しかし、今や中国でさえも、工場の拠点はベトナム、ミャンマー、カンボジアへ移り、その座をASEAN諸国に奪われようとしています。そして今、私が一番激変を感じているのは、シェアリング・エコノミー(共有型経済)です。WEBビジネスが、リアルビジネスを国境や規制の壁を軽々越えて侵食しています。「モノを所有」する時代から「モノを共有」する時代へ。「こうあるべき」という古い権威や秩序が「こうでもよい」という新しい発想へ、大きく傾きつつあります。

シェアリング・エコノミーとは個人が所有する遊休資産の貸し出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用により収入、借主は所有することなく利用できるというメリットがあります。2013年約150億ドルの市場規模が、2025年3,350億ドル規模に成長する見込みです。2008年にスタートした空き部屋を宿泊施設として貸し出すairbnb(エアビーアンドビー)、2010年にスタートした、車の空き座席をタクシー代わりに貸し出すUBER(ウーバ―)、2012年スタートの自家用車の空き時間をレンタカー代わりに貸し出すRELAYRIDERS(リレーライド)など多数のサービスが生まれています。私がなかでも一番面白いと思って見ているのは、UBERです。

UBERは日本には2014年に上陸、供給過剰のタクシー業界の抵抗が厳しく、現在は東京都でのタクシー、ハイヤー配車など一部サービスの提供にとどまっています。アメリカでは、トヨタと提携し、ドライバー向けに自動車リースを発表。自家用車を持たない個人でもドライバーとして働けることで、供給量を増やす狙いです。一方で、UBERは10万台ものメルセデスベンツ「Sクラス」を購入しました。Sクラスには、自動運転機能がついています。また、ピッツバーグ州に自動運転技術の研究施設を設置するなど、UBERは完全自動運転の実現する世界を見据えています。将来UBERは、交通手段だけでなく、モノやサービスの提供といった「物流手段」までも掌握するプラットフォームになりえます。

激変する世の中で活躍するために必要な資質とは何かを考えていたら、イチロー選手のインタビュー記事が目にとまりました。「自分が全く予想しなかった球がきた時に、どう対応するか、それが大事。試合で打ちたい球はこない。好きな球を待っていたのでは終わってしまいます」。イチロー選手は毎日違うピッチャーに相対し実績を残しています。もちろん相手もプロのピッチャー、イチロー選手を研究しています。にもかかわらず、毎年高い水準で結果を残しています。「夢や目標を達成するには1つしか方法がない。今、自分にできること。頑張ればできそうなこと。小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思う」。相手の変化に順応するポイントは、危機意識を高く持ち、目標に向かって小さな自信を積み重ねることなのでしょうね。

2016年9月

2016/09/01