Column / 社長コラム 社長コラム

2024.08.01

現役65周年挨拶

 先日、尼崎青年会議所創立65周年記念に際して現役メンバー並びに来賓に向けての挨拶をさせていただきました。今回のコラムは、その時の挨拶の内容をご紹介します。
 現役の諸君、創立65周年おめでとう!
私が尼崎青年会議所に入会した時は30周年の時でした。あれから早35年!当時は人格も品格も経済人としても未熟な男でした。それが、まさか、このような周年の晴れ舞台で挨拶ができる男になれるとは夢にも思いませんでした。尼崎青年会議所へ入会して良かった、仲間と共に成長できて良かった、と心から尼崎青年会議所との出会いに感謝をしているところであります。
 30周年で入会して12年もの間、尼崎青年会議所に没頭しました。理事長を経験させていただき卒業。そして、5年前からシニアクラブの会長を務めています。5年前の60周年でもこの場で挨拶をしました。その時に話した内容は2つ「尼崎の誇れるものは人」「鴻池祥肇先輩会頭取り」の話をしました。実はこの2つの話には、「規律と礼儀を重んじ、先輩を敬う」「気付き、気遣いを大切にする」という尼崎の伝統とも言うべき精神が深く関わっています。この伝統が人を育て、会頭職を手繰り寄せました。
 当時、井奥会頭の元、鴻池は副会頭として日本JCに出向していました。直前会頭は麻生太郎副総裁でした。井奥会頭、鴻池副会頭は麻生直前会頭に「次の会頭は大阪に決まっているから、会頭への爪を伸ばさぬように」と釘を刺されていました。そんな状況からどうやって会頭になれたのかは、5年前、挨拶の中で詳しいことは鴻池と共に会頭取りに動いたレジェンド、竹瀬元紀に聞いてくださいと言いましたが、その竹瀬元紀も周年の半年後、亡くなりました。ここで最後のレジェンドである森本清に聞いてくださいと言って、森本清まで失くしたら困るので私が話します。
 当時の日本JCは、かなりの頻度で東京JC会館にて会議を行っていました。会議が終わると井奥会頭は飲みに行くわけにもいかず、一人でホテルの部屋で過ごされていることが多かったようです。そこへ竹瀬元紀が連絡をします。
「尼崎の竹瀬元紀です。鴻池から申しつかりました。飲み物やタバコなどは足りてますか?」
これを会議の度にやったようです。時にタバコを買って行き談笑する、時にビールを買って行き一緒に飲む、それを繰り返しているうちに、井奥会頭は尼崎青年会議所を好きになっていきました。井奥会頭はある日突然、麻生太郎の言いつけを守らず、鴻池を会頭に指名します。まさに、「規律や礼儀を重んじ、先輩を敬う」「気付き、気遣いを大切にする」という伝統の精神が会頭の心を動かします。尼崎は鴻池、竹瀬のおかげで会頭取りを達成して高みへと導かれました。ありがたいことです。
 日本はバブル崩壊後、失われた35年という時代を過ごしました。その間、本屋はことごとくアマゾンに潰されました。タクシーはやがてUberに変わっていくでしょう。ひょっとしたら、自動運転となりAIやロボットが人間の代わりに働くようになるかもしれません。職業は「永遠に続く時代から寿命のある時代へ」変化しました。今後、益々変化の波は大きくなっていくでしょう。変化は、時代の流れの中で「変わるモノ」と「変わらないモノ」があります。今、大事なことは、未来永劫「変えてはならないモノ」を選択しておくことではないでしようか。この65周年を機に「規律と礼儀を重んじ、先輩を敬う」「気付き、気遣いを大切にする」この最も大切な伝統を現役に申し伝える、良き機会にしたいと考えています。
 最後に、皆様にお願いがあります。現役はこれから数年、勢いがあり楽しみな人材が数多くいるようです。歴代の息子たちもいます。しかし、まだまだ若いので至らないところも多々あるように思います。厳しい叱咤激励、またご指導、ご鞭撻をお願いして、挨拶と返させていただきます。ありがとうございました。