はじめの第一歩

尼崎青年会議所(JC)シニアクラブの会長に就任することになりました。55年の歴史、メンバーの年齢40歳~90歳、メンバ-数400名以上、7代目の会長。光栄なことではあるけれど、本音は気が重いというのが実情です。これまでも、幾つかの団体やPTAなどの会長職をさせていただいたこともありましたが、今回のものは過去の会長職とはまったく違うもの、痺れるような緊張感を感じています。歴代シニア会長に花向けの言葉をいただきました。「挨拶は3ヶ月前から考えとけ。挨拶は準備に尽きる。いつも来るべきスピーチの日まで頭の中で考えておき、一時も忘れてはならん」「会長になるということは、見る側から見られる側に変わること。400名以上のメンバーの中で会長はお前1人、お前の立ち振る舞いや言動で自分が恥をかくのは自分の勝手だが、お前を担いでいる400名以上のメンバーも同じように恥をかくことを覚えておけ。どこへ行っても、どんな場所でも、どんな時でも見られていることを肝に銘じておけ」「苦しめ苦しめ、痺れろ痺れろ、しかしその環境の中で楽しめ」

まず、何をすべきかを自分なりに考えてみました。「何をするか?」ではなく「何のために?」が重要だと感じています。参考意見を聞くために、近隣の2001年度の同期JC理事長に連絡してみました。「近年は現役の人数も減り、それに伴いシニアの集まりもしぼんでしまい、ほとんど集まらない」「派閥ができて分裂してシニアクラブ自体がなくなった」など、参考になる話はなく、逆に残念な実情を聞いてしまいました。全国を見ても大なり小なりそんな傾向のようです。しかし、我が尼崎JCシニアクラブは、それとは全く反対で活況そのものです。シニアクラブには同行会があり、多くのメンバーが旅行やゴルフを大いに楽しんでいます。また、組織も任意団体にもかかわらず、50名以上の理事メンバーがいて、しっかりと運営されています。そして、何よりも素晴らしいのは「現役あってのシニア・シニアの一番の仕事は現役支援」との前会長の発信のもとシニアが現役を力強く支援し、シニアの旅行やゴルフに現役も多数参加して、良き関係を築いています。人には人柄、国には国柄があるように、JCにも、そのJC、そのJCで歴史や伝統の違いがあり、背負っているものも違います。日本中に誇ることができる尼崎JCシニアクラブはどうやって出来上がったのかを紐解くと、やはり故鴻池よしただ先輩を中心に歴代シニアクラブ会長の強烈なリーダーシップの功績だと思います。しかし、この素晴らしい歴史や伝統も、気を緩めると簡単に崩れてしまうようにも思います。私の最大の使命は、この素晴らしい尼崎青年会議所シニアクラブを素晴らしい姿のまま、次の会長へ引き継ぐことだと考えます。

今から30年前、27歳の時に牛乳宅配会社を起業、その数ヶ月後に尼崎青年会議所へ入会しました。その頃の私は朝4時に始まる早朝配達に寝坊、事務所は散らかり放題、アルバイトはすぐ辞める。JCも同じように出欠率3割3分3厘、出欠のFAXすら期限を守れない、そんな出来の悪い男でした。しかし、ある委員長との出会いが私を変えました。その委員長は私の会社へ挨拶に来てくれました。委員会開催時には必ず30分前に来て準備していました。欠席時には議事録がFAXされ状況を知らせてくれ、メンバーそれぞれに合わせて課題を与えました。委員会の後は楽しく懇親会、あっという間の1年間でした。「この人の為に頑張ろう、この人のようになりたい」と強く思ったことを、今でも記憶しています。それから私の自己改革が始まりました。早朝配達4時の30分前に出勤、事務所を整理整頓、出勤したアルバイトに元気に挨拶する、珈琲を差し出す、冗談言いながら積み込みを手伝う、元気に送り出す。帰ってきたら出迎えねぎらう、積み下ろしを手伝う。そんなことをしていると、あれだけ辞めていたアルバイトが、仕事が終わっても雑談をして帰らないようになり、まったく辞めなくなりました。私はその委員長から社長の一番の仕事は「人格を高めること」「人間性を磨くこと」だと教えていただきました。これがJCでのはじめの第一歩だったように思います。

JCにて現役13年、理事長も経験させていただきました。卒業後17年、仕事という名の遊びを夢中でやりました。尼崎から全国へ、近年は世界へと。あっという間の30年でした。決して順風満帆ではなかったけれど、自分なりの哲学を持って歩んでまいりました。気がつくと着地点を考えるような年齢になりましたが、まだ終われません。近年のビジネスは緩やかな角度での成長でしたが、この先は30年前の成長角度に戻し、ワクワクしながら挑んでいこうと思います。忘れてはならないことは、自分の中に流れている「人生を幸せにするルール」の大半は愛すべき尼崎青年会議所で学んだものです。尼崎青年会議所シニアクラブの会長としての第一歩は「人生を幸せにするルール」をメンバーの皆様と共有することだと考えています。

「That’s a very good question, thank you.」
良い質問をしてくれたおかげで視点が広がる、ありがとう

2019/03/01