君たちはどう生きるか VOL.2

「君たちはどう生きるか」の漫画を読み進めていくと、いじめっ子といじめられっ子、それを取り巻く子供達の人間関係や成長が描かれています。主人公コペル君のクラスメイト、いじめられっ子の浦川君は油揚げ屋さんの息子で、毎日弁当のおかずは油揚げだけです。いじめっ子の山口君一派は浦川君を“あぶらあげ”と呼びバカにします。周りの子供達は、何か言ったら次は自分が狙われると思って誰も何も言えません。しかし、ある日“ガッチン”と呼ばれる正義感の強い子が立ち上がります。「卑怯だぞ山口、弱いものいじめをして」ガッチンと山口君のつかみ合いが始まりました。すると、クラスの大半がガッチンの味方につき、山口君に襲い掛かります。その時意外にも、いじめられていた浦川君がみんなに「許してやっておくれ」と、言って自分をいじめていた山口君を助けます。周りの勢いに乗っかって、山口君に仕返しをしたい気持ちもあったはずですが、一方的にいじめられることがどれだけ嫌だったか、周りの流れに勇気を振り絞って逆らいました。浦川君は本当に立派でした。おじさんのノートには、「英語や数学なら、僕にでも教えることはできる。しかし、人間が集まってこの世の中を作り、その中で一人一人が、それぞれ自分の一生をしょって生きてゆくということに、どれだけの意味があるのか、どれだけの値打ちがあるのか、ということになると、僕はもう君に教えることはできない。」と経験の大切さが書かれています。

 
昔、新入社員に飛び込み営業研修は「負ける練習」だという訓示をしたことがありました。「みなさんは大学を卒業するまで立派なご両親に支えられて、何不自由なく生きてこられたと思います。今回、初めて就職して自分の足で立ち、自分の足で歩かなければなりません。それが生きていくと言うことです。飛び込み営業でお客様のお宅に訪問してもほとんどの方に受け入れられません。その状況の中で、どうしたらお客様に話を聞いていただけるか、どうしたら受け入れられるのか、それを考えて欲しい。前もってその地域のことを調べたり、販売する商品のことを調べたりすることが、最低限必要です。それでもほとんどの方に話を聞いてもらえないと思います。それこそが負ける練習です。長い人生では、カッコよく勝つことよりも無様に負けたり、だらしなく恥をさらしたりすることの方がはるかに多いはずです。人は負け方を知るとやさしく温かい人間になれると言います。負けること、恥をかくことを素直に受け入れることができると、人として楽に生きることができるようになります。」

 
私たちは誰もが、人間関係の中で生きなければなりません。そして、自分を取り巻く人間関係の中でしか自分の「道」は見つかりません。だからこそ、良い人間関係が、良い「自分の道」をつくるための必須条件だと思います。私たちは、自分にとって大切な人との関係を大切にしなければ、「自分の道」を見出し、作り上げていくことはできないように思います。家庭でも、地域社会でも、職場でも、大切な人を大切にしながら、気負わずに生きていけたらいいなと思っています。

 
着実に「自分の道」をひらいていくためには、自分の目で見たもの、自分で感じたものを大切にすることが大事だと思います。人生を生きていると数学のように答えがあるものだけではなく、簡単に答えを見出せないことも多々あると思います。道は自分でつくる。道は自分で開く。人のつくったものは自分の道にはなりません。自分の目で見たもの、自分で感じたものを一番信じる。後悔のないように、自分の道を自分らしく歩いていきたいですね。

 

 

2018/03/01