Column / 社長コラム 社長コラム

2019.07.01

令和

5 月 1 日、新元号である「令和」が始まりました。飛鳥時代、645 年から始まった最初の元号は「大化」でした。「大化」から始まり「令和」まで 248 の元号 が存在します。その歴史は 1374 年。日本は元号ができてから数えても、世界で 一番長く続く国です(世界で2番目に長く続いている国がデンマークで約 1000 年)。それよりも古いのが日本の建国、紀元前 660 年に神武天皇が奈良の橿原で 即位したところから始まります。建国から 2679 年、初代神武天皇から始まり、 新天皇まで 126 代。神話の時代から脈々と続いていることが、古事記・日本書 紀などの神話の中で生きています。古事記・日本書紀は日本政府の公式見解を 示した、日本初の正史です。古事記・日本書紀をベースとして天皇制度も祝日 も神社も存在しています。我々、日本人は明治時代以降、西暦を使うようにな りました。それ以前は和暦(皇紀)でした。戦後、米国主導で教育制度は決め られ、日本の歴史である古事記を読む機会も減りました。経済や都市計画、そ して暦も欧米基準となり、日本の建国はどのようになされたのかを知る機会が 少なくなりました。日本に生まれ、日本人として育ったのに、日本のことを知 らない、建国のことを知らないということは、自分のルーツを失ったのも同然 です。他国の建国の歴史を振り返ると、必ず侵略の歴史や植民地があり、他国 において建国とは略奪と支配を表しています。そして、多くの国家は 2~300 年 の短命でことごとく滅びています。日本と他国の歴史は大きく違います。この ような尊い国は世界中探しても存在しません。日本に生まれたことに感謝し、 この国に誇りを持ちたいと思います。


「平成」から始まった情報革命は世の中や人々のライフスタイルまでも大き く変えてしまいました。そして、「令和」の時代になり、変化のスピードはます ます速くなるように思います。真面目に働けば、それなりに暮らせる時代は終 わり、働いても豊かになれない、良くない時代へと移りゆくように思います。「令 和」での私の生き方について書かせていただきます。人には持って生まれた性 分というものがあり、私の性分は命の限り挑戦したい性分のようです。2015~ 2017 の3年間に多くの新規事業に投資をしましたが、ほぼうまくいきませんで した。2018 年は小休止してじっくりと考える 1 年としました。まず、起業から 今までを振り返りました。平成元年、宅配牛乳事業を起業、初年度 700 万円の 年商が、最初の 10 年は前年比 150%で毎年伸び、30 倍、次の 10 年は平均 120% で、初年度の 300 倍に、その次の 10 年はあれこれ新規事業を始めました。宅配牛乳事業の伸びは僅かでしたが、新規事業を支えたのが宅配牛乳事業という構 図でした。過去 30 年で一番ワクワクドキドキしたのは、苦しかったけど創業間 もない頃だったように思います。「令和」から始まる人生の後半戦は創業初期に 立ち戻り、ワクワクドキドキの人生にすると決めました。そういう人生を送る ためには、「どのような事業をすればいいのか?」そして、100 年続く起業を目 指すには「何のために?」「誰に喜んでもらうのか?」などを日々考えるように なりました。「平成」が終わる前に、やるべきことは「不採算事業の閉鎖」「や るべきことを絞る」「未来ビジョンをじっくりブランディング」でした。すべて の不採算事業は「平成」の時代に終わらせました。やるべきことを4つに決め ました。その4KEYWORD は「IT」「コンサル」「グローバル」「不動産」と定 め、これ以外は新しくやらないと決めました。未来ビジョンのブランディング はじっくりと考え、ほぼ完成しました。ただこれは時代の変化に合わせて少し ずつ変えていくつもりです。

2018 年に小休止をして背負っている多くのものを下ろし楽になりました。楽 観的か、悲観的か。自分が感じている以上に周囲からすると楽観的に見られて いるように思います。それは、難しい決断を簡単に素早くしているように見え るからです。今回の「不採算事業の閉鎖」「やるべきことを絞る」「未来ビジョ ンをじっくりブランディング」という 3 つの課題も簡単に決めたように思われ がちですが、伏線となる出来事がありました。楽観的に見えるとしたら、数々 の失敗から学んだメリットやデメリットの計算ができたからだと思います。「令 和」という時代に起こる世の中の変化は全くもって予想不可能です。そして「令 和」という予測不可能な暗闇の中で生き抜くために必要なことは、自分を信じ、 楽しみながら、暗闇の中でおもいっきりジャンプすることだと考えています。 怖いから、怪我したくないから、恥をかきたくないから、足がすくんで挑戦で きなくなったらそこで終わりです。「良い波にのるコツは、波に乗っても踊らさ れないこと」「会社が苦しい時はひたすらじっと耐える」「楽観はしない、まし てや悲観もしない、ひたすら平常心で」

2019/07/01