Column / 社長コラム 社長コラム

2023.09.01

経営改革〜謙虚編〜

「書経」にこんな言葉があります。「満は損を招き、謙は益を受く」驕り高ぶれば妥協を呼び、妥協を呼べば進歩も止まる。だが、謙虚な気持ちを忘れなければ大きな疑問が生まれ、さらに高みを目指して努力するようになります。つまり、謙虚であれば失敗や負けから多くを学び、成果を得られると言う意味です。社長には自分の考えが正しいとばかり思っているタイプがとても多いように感じます。社長としての信念は必要だが、周りの意見を聞く姿勢がなければ勘違いして謙虚さをなくしてしまうのがオチです。それが企業の成長を止めてしまいます。企業のトップこそ、自らが弱者であると言う認識を持つべきです。世のリーダーたちは、どれだけ「失敗」と言う事実に目を向けているのだろうか?「仕方ない、切り替えていこう」とやっているだけでは、人間としてもチームとしても成長していくはずがありません。苦しくとも、失敗や挫折と向き合って分析し、慎重さと繊細さを身に付けることが求められます。仮に良い結果が出た時も同じことです。調子に乗らず、いい気にならず、どれだけ謙虚にいられるかは、今後の成長を占う大切なポイントです。「謙虚」に「自信」を持つことで、人は必ず成長できます。
私がこの業界内でそれなりの規模になることができたのは、苦しい時、難しい場面で一緒に頑張ってくれたスタッフ、そして応援してくれた取引先がいてくれたからに他なりません。私自身を分析すると『すぐに調子に乗る』『続かない』といった側面があり、謙虚でいることは難しいと感じています。しかし、この改革においては初心を忘れず、謙虚であり続けようと思います。
最近、「みるくDEべんり」という事業を始めました。仕事の内容は、牛乳のお客様や地域のシニアの方々の「お困りごとの解決」と「人のお役に立つ」ことです。具体的には、草刈り、木の伐採から始まり、換気扇の清掃、エアコンクリーニングとその後のガスの補充や機材の取り替えまで行い、網戸や障子の張り替え、トイレの取り替えなど多種多様にわたります。私は、この事業の延長線上に地域貢献や社会貢献、さらに社会問題の解決が繋がっていると考えております。
この事業を始めたきっかけは、元社員2人が経営する『便利屋』をデミックと一緒にやっていこう、そんなスタートでした。最初は、地域を回っても、新聞折込にチラシを入れても、あまり反響がなく苦戦しました。そこで、私たち自身がお客様の立場に立ち、スタッフ同士で何度も議論を重ねて、チラシの内容を修正しました。最近の暑いこの時期の困りごとは何かと考え、チラシのテーマは「エアコンクリーニング」でいこうと決定。では、ライバルである大手ネット通販会社、大手家電量販店を相手に『いかに戦うのか』『我々にしかできないサービスは何か』を考えてチラシを完成させました。それが功を奏したのか、売り上げはグングン伸びてきました。
事業を行う中でスタッフの経験値も上がり、やれる事もどんどん増えて、自信のようなものが芽生えてきました。始めた頃は、お客様のところに行き「何かお困り事はないですか」と尋ねても「何もないわ」と一言で断られる有様でしたが、何度も何度も訪ねて行き、何気ない話をしているうちに「こんなことはできる?」と、注文に繋がる言葉が返ってくるようになりました。
私は「みるくDEべんり」こそデミックの最新の事業であり、原点回帰でもあると考えております。その秘密はデミックという社名にあります。
2002年、弊社の前身である『増富商店』はCI(企業イメージ統合戦略)により『株式会社デミック』に社名が変わりました。Demic(デミック)の意味は、左記の頭文字から名付けて貰いました。
「Derivery of milk culture」・牛乳の文化を届ける
「Derivery of mind culture」・心の文化を届ける
「みるくDEべんり」事業は心を届ける部分だと思います。
「ミルクを核商品として、環境・健康・美容に役立つ情報と商品をダイレクトにお届けする・地域の心の文化貢献業」あれから20年が経ち、やっと「ミルクを届ける会社」と「心を届ける会社」の両輪が揃いました。縁あってこの事業に巡り合えたことは、運命だったのでしょう。この縁を大きく広げて「シニアのお困りごとの解決」「シニアのお役に立てる事業」へと羽ばたかせていきたいと思います。
2023/09/01