Column 社長コラム
若手経営者
2022年の終わり辺りから、物の値段がドンドン上昇しています。30年間続いたデフレは終焉し、新たにインフレの時代が到来しました。デフレの始まりを振り返るとソ連邦が解体され、ベルリンの壁が壊され、東西のドイツが統一され、冷戦が終わったことをきっかけに、グローバル化が始まりました。それに伴い、世界中の工場は中国へ移り、中国の安い人件費とロシアの安い燃料で商品が作られるようになり、人件費のせどりが始まりました。中国に移った工場のおかげで、ものづくり立国だった日本は、30年もの間デフレに苦しみ、失われた30年を迎えました。2022年ロシアのウクライナ侵攻を機にロシア、中国とのグローバル化の蓋が閉ざされたように感じます。少しずつ、中国へ移った工場は平和で人件費の安い(円安の影響)日本へと戻りつつあります。多分、デフレ時代の企業経営と新たに始まったインフレ時代の企業経営は全く違う手法となり、過去の経営が意味をなさない、新たな時代の幕開けとなりました。
私と付き合いがある若手経営者は、大半が東南アジア在住となりました。なぜ海外に住むのかを聞くと「日本は税金が高く、金利が安い国だから」など、東南アジアの国々と日本の違いを理由に挙げていました。一例をあげると、ベトナムやカンボジアは銀行金利が5%以上。コロナ前に定期預金に入れていたお金が為替も相まって1.5倍近くになったそうです。1,000万円預けていたら、1,500万円です。「そのお金で遊んでいます」とのこと。
でも、1番大きな理由はアジアの国々は大きく成長していて、日本の30年、40年前の状況と似ているので、投資するにも予測しやすいからだそうです。
若手経営者との食事会では有益な情報を得られました。少しご紹介します。昔、私は彼らからビットコインが7万円の時に買うように勧められました。私は、「そんなコインが上がるわけない。汗水垂らして働け」と叱ったようです。そして、そのビットコインは今、600万円を超えています。あの時に買っていたら…トホホ!
彼らの特徴は、あまり働いているように見えないのですが、フットワークが軽く、日本国内はもとより海外でも簡単に動きます。彼らを見ていると、フットワークとは、努力しても急に高められるものではない、その人の持つポテンシャルのように感じます。
身軽に動けるから大きな組織を作らなくても、政治、税金、金利、仮想通貨、不動産、などで人脈を築き、利益に繋がる情報が集められます。フットワークの軽さ、つまり行動力は人に情報をもたらし、持つ者と、持たざる者の仕事の出来栄えに差を生じさせるということです。
フットワークを軽くして動きつつ、仕事だけに染まるのではなく、食べる、遊ぶ、楽しむ、といった「リフレッシュ」も気軽に楽しむ。フットワークの軽さは日々の仕事により良い結果をもたらし、プライベートも充実させる好循環を生み出します。