Column / 社長コラム 社長コラム

2026.02.01

高市早苗 其の2「働いて×5まいります」

 昨年の流行語大賞は高市早苗首相が自民党総裁選で発した言葉「働いて、働いて、働いて、働いて、働いて、参ります」が選ばれました。後に高市首相は「働いて」を5回繰り返したのはその場の雰囲気であり、大きな意味はないと語っておられます。しかしながら、気合の入った物言いに、働き方改革推進に取り組む全国の経営者は度肝を抜かれたのではないでしょうか。世間からの反論もあり「賛否両論の意見いただきました」「働き過ぎを奨励する意図もない」と弁明していました。
 私どもデミックも働き方改革を推進しているところですが、「残業をさせない」「有給をさらに取りやすくする」「年間休日を増やす」など、多くの課題に取り組んでおります。年間休日が多い大手企業は年間130日程度の休日があります。弊社と比較すると20日近くの差があります。この労働条件では、新卒採用や中途採用で、大手と張り合うことは難しいと思われます。また、有給を取得しやすい職場環境にするには、仕事の仕組みから改善する必要があります。
 近年、牛乳宅配業界の衰退が顕著になってきました。端的にいうと他宅配ビジネスモデルに牛乳宅配ビジネスモデルが負けつつあるからです。Amazonや楽天などのネット通販業界、オイシックスなどのネット食品通販業界、コロナ後一斉に宅配に力を注ぎ始めた始めたスーパーマーケット業界、ワタミやヨシケイといった弁当、夕食材料の宅配業界など、それぞれの業界に見合った独自の乳製品を強みとして持っています。弊社が起業して30年以上、順風満帆だった牛乳宅配業界の崩壊に対して、私の選択は「辞めるか、変わるか」の2択でした。30店舗近くある弊社グループの宅配拠点を全店回りながら、従業員の方々に「辞めるか、変わるか」という確認をしました。すると大方は「変わることを前向きに受け入れる」でした。
 業界の崩壊で大きな危機感を感じつつ全国の店舗を動き回っている時に、高市総理の「働いて×5まいります」を聞きました。私自身、「働いて×5」という最中だったので、自分の働き方と重ね合わせて、「オレと同じや」と思い、心にグッとくるものがありました。そして死に物狂いで働いてみると何かが変わってきたように思います。遠方でなかなか訪問できなかった店舗に3ヶ月で、4回も5回も行って仕事をすれば私の本気の度合いも否が応でも社員に伝わります。すると、会社の空気が変わる。弊社社員たちへの働き方改革を行う反面、私が私自身に課した働きぶりは「働き方改革なんぞ、どうでもええ」。会社が厳しい時にこそ社長の出番。そう思い、死に物狂いで働いております。
 過去の流行語大賞「倍返し」「忖度」「三密」などは、ビジネス現場で頻繁に耳にしましたが、今回のフレーズはあまり聞かないように感じます。しかし、私には生涯で一番心に響いた流行語大賞でした。高市総理の言葉に感謝し、会社が苦しい時こそ社長と出番だと張り切って店舗を回っております。