Column 社長コラム
トランプ
ドナルド・トランプは米大統領選で無礼な発言を重ね、数多の集団を侮辱し、外交や統治について無知を晒したにもかかわらず当選しました。米国の中流層、労働者層で高じている、変化を求める強い渇望に結びついたのだと思います。1980年代以降のグローバル化による世の中の変化は、富裕層にはより富を築く反面、中流層、労働者層は取り残され暮らしは悪くなっていきました。トランプはその処方箋として「米国第一」という極端なナショナリズムを掲げました。中流層、労働者層の怒りや恨みにトランプのメッセージが突き刺さりました。トランプ米政権誕生で始まる2017年、世界は大きな岐路に立つように見えます。世の中はどう変わり日本はどう対処すべきなのか、改めて考える必要があります。
トランプは1946年ニューヨーク生まれ。ペンシルベニア大学卒業後、父親のフレッド・C・トランプとともにブルックリンのオフィスで働き、その後単身でマンハッタンの不動産業界に飛び込み、1983年には現在超高層ビルのアイコンとなっている五番街のトランプタワーを完成させた。ほどなくしてニューヨークの不動産業界の重鎮となり、彼の会社(トランプ・オーガニゼーション)は米国を代表する企業の一つになった。2014年資産報告書によると総資産92億ドル、負債額5億ドル、純資産額87億ドル。商業物件(ゴルフ場、リゾートホテル、ショッピングモールなど)や居住用物件を50以上所有。セスナ、ボーイング各1機、ヘリコプター3機を持ち世界を飛び回り、年収は3.6億ドルを超える。テレビ番組「アプレンティス」の主役を務め、同番組は14シーズンという記録破りの大ヒットとなった。2015年米国大統領選出馬表明、2016年共和党指名を受ける。
大統領就任早々、選挙での公約を果たすために大統領令を連発し世界中を巻き込みながら波紋を起こしています。中でもイスラム圏7ヶ国からの移民入国禁止令は大規模デモを巻き起こし、意図的に対立軸を明確にするかのごとく、全米、全世界を二分しています。ツイッターで呟きたいことを呟き、自分の意に沿わないメディアには取材の機会を与えず、自分に向かってくるものには誰であろうが噛み付く。それらの光景を見て、人格や器量には疑問を感じますが、自分を貫く姿勢や反骨精神には羨ましさすら感じてしまいます。今は、トランプをじっくり見てやろう、という心境です。僅差で勝利した彼は今、自分を支持した人々に対し、自分が発言した公約を実直に遂行しているだけだと感じます。
現代のSNS時代は、非寛容な時代と言えます。挑戦すれば揶揄され、失敗すれば叩かれる。このままでは、みんなが縮こまり、誰も挑戦しなくなってしまうように思えてなりません。日本人は真面目に考えすぎるようにも思います。過去、私自身も割と真面目な性格でした(笑)。その頃は人の失敗や嫌なところを許せなくて、細かい性格になってしまうことも多々あったような気がします。人間誰でも一度や二度の失敗はあります。SNS時代を生きる私たちに必要なことは、相手の失敗を許容できる寛容な精神だと思います。今求められるのは、「何かに夢中になって、バカになる力」「たとえ失敗をしても、這い上がる力」この二つの力だと思います。それを、説教くさくなく、ユーモアにメッセージできるような人間になりたいと思います。皆さんもどうですか、バカは強いですよ。
2017/04/01