Column 社長コラム
本田健②
先月に引き続き、本田健氏の提言を書かせていただきます。世界が大きく変わる時に、全てを変える覚悟を決める必要があります。なぜなら、これからは感染症と経済(仕事とお金)という二つの問題が必ず付きまとうからです。コロナ禍で私たちができることはあまりないと思われがちですが、とにかく変わろうと思うことは誰でもできます。外食、コンサート、海外旅行、など普通だったことができなくなりました。それによって、今まで普通にやってきたことが通用しなくなります。今、全ての仕組みが変わろうとしています。過去に例を取るなら、日本の忌まわしい戦争時代と同じぐらいの超激動時代が、これから起こる可能性があります。今までの常識を全て捨てて考えるぐらいのことをしないと対応できません。決断とは「決める」に意識がいきがちですが、「断つ」が重要で、覚悟を決めること、即ち「断つ」ことを意識しましょう。断つこと、変わることが難しいと言っている人は変化にのまれます。今、何かをやらないと破綻は目に見えています。あたかも消滅していないように振舞っていますが、まさに今、多くの仕事が消滅しています。飲食店の2、3割は閉店し、今まで賑わっていた京都のおみやげ屋さんは、外国人客が来ないのが当たり前となります。大きな仕組みの変化を、この数ヶ月で実感すると思います。もう一つコロナは他人事ではありません。自分が感染したらどうする?仕事が半年できなかったらどうする?など、アリとキリギリスの話のようですが、今まだ大変じゃない時に、お金を借りたり、新しいビジネスを考えたりしておかなければなりません。「コロナは大丈夫、何とかなるから」と言っている人は、何とかならない時に困ります。どんなシナリオがきても大丈夫なように準備しておく必要があります。
本田健氏の提言などを参考にして、コロナ禍にやるべきことを3つ決めて実行しました。
①固定費・人件費を大幅削減して身軽になっておく
②借りられるだけお金を借りておく
③デジタル化へ大きく舵を切る
①会議がリモートになったことで、必然的に全社員の旅費・交通費が削減でき、東京や海外の事務所を解約し固定費を下げました。人件費は削減ではなく、費用対効果を上げる手法をとりました。当社の店舗網は広域多店舗展開と全国に広がっているので、エリアの責任者の手腕が大きく経営に関わります。また余剰な人員がいるわけでもないので費用対効果を上げようとすると、エリア責任者と地域の社員・配達員の人間関係が改革の邪魔をするのが常でした。しかし、今回ばかりは変わらなければ、会社ごと消えて無くなるという危機感から、私が改革の中心になり、強い意志を持ち進めることになりました。まず、社員は役割分担を明確にしました。営業は営業だけ、配達は配達だけ、事務は店長職を兼ねていただき、今までの店長の仕事を無くしました。事務員以外の社員役割は営業か配達とし、それぞれの役割に対して営業数値をポイント制にして競い合い、社員のポイント順位を明確にしました。順位の低い社員には研修を課して、成長を促しました。人は変化を嫌いますが、社長である私自身が組織のど真ん中にしっかり腰を下ろし、社員と向き合いコミュニケーションをとると、当たり前ですが、コロナ禍にも関わらず業績は上向いてきました。牛乳宅配事業を始めとして、飲食店事業、整骨院・エステ事業、コンサルティング事業など数々の事業もリモートミーティングを実施しながら顕著に良くなってきました。過去を振り返り、東京、名古屋、九州、海外と飛び回っていた自分自身の仕事ぶりを、「いったい何をしていたのか」と反省中です。既存事業については、このままリモートミーティングをしっかりして、社員ひとり一人が成長すれば、たとえコロナ禍であろうとも、生き残れると確信しました。次の課題は次々控えている新規事業をどう成功させるかでした。こちらも同じように、プロジェクトリーダーを決めて、いつまでに何をどこまでやるか、予算はいくら、売り上げはいくら、それをいつまでにするかを考えて事業計画を作成しました。先ほど人は「変わること」が苦手だと書きましたが、もう一つ苦手なことが「考えること」です。普段から考える習慣がないと、考えること自体が苦手になります。何事も始める前に考え、優先順位決め、短期・中期・長期の仕事に置き換えて、自分ですぐできること(その日)・部下にさせること(2週間以内)・じっくり考えてやること(3カ月以内)に分けて取り組みます。始める前は考えて、考えて、考え抜く、いざ始めると早く、より早く、全力を持って早くを心がけ事業計画を進めていきます。いくつか新規事業が始まりますがそれはまた次の機会に書こうと思います。
②借りられるだけお金を借りておく③デジタル化に大きく舵を切る は次号とさせていただきます
2020/11/01