Column / 社長コラム 社長コラム

2024.09.01

社長道場ver.1

 社長道場と称して主要社員の育成を始めて約1年が経ちました。社長道場を始めたのはコロナの感染拡大に起因した業績悪化とビジネスモデルを変革するためでした。コロナは「人と会えない」「人が動けない」という2つの制限がありました。「人と会えない」ことで販促活動が一切できず、大きな売上減少となりました。「人が動けない」ことで日本各地の弊社店鋪と本部(兵庫県)の人間関係が希薄になり意思疎通が難しくなり、指示系統に不備が出ていました。コロナ以上に深刻だったのは牛乳宅配事業が他のビジネスモデル(Amazon、オイシックス、コープ、ヨシケイ、ワタミなど)に徐々に負けつつある状況だったことです。コロナ禍、他のビジネスモデルが大きく売上を伸ばしていく中、牛乳宅配のビジネスモデルは、それ程、売上を伸ばせず、ビジネスモデルの変革やDX化(デジタル技術を用いた企業風土の改革)が必須課題だと感じました。
 そのために、まず、私は自社の店鋪訪問をして現状を知ることから始めました。1店舗ずつ全ての店舗に訪問して、各店舗にいる社員や業務委託、アルバイトと面談しました。面談内容は「なぜデミックで配達してくれているのか?」「何のために働いているのか?」など、それぞれ働く方々の背景を確認するためでした。すると、声の大きな人が牛耳っている店舗、高齢化している店舗、頑固な店長がいる店舗、コロナ禍でも頑張っていた店舗、いろいろな店舗がありました。店舗訪問で感じたのは、改革を進めていくには、相当な時間を要すること、その店で働くスタッフと共に進めないと容易ではないこと、などを強く感じました。関西、四国、関東、九州と広域に広がった27店舗を同時進行で改革するには、私だけの力では難しく、エリア管理者と目標を共有し、目標達成を一緒に目指すための理念の再構築が必要でした。それが社長道場の目的でした。
 世は「働き方改革」「多様性の時代」と時代は大きく変わりつつあります。多くの企業では、長時間働きたくても働けない時代。また、多様性を過度に尊重する時代です。ただ、デミックでは、今の時代に逆行し、「ビジネスモデル変革」「理念共有」を私自身が長時間に渡った講義方式にて開催しています。負けつつある牛乳宅配ビジネスモデルを、どう変革すれば良いのか。新たなビジネスモデルへの組織変換には「トップダウンからボトムアップへ」も大きなテーマとなりました。それを解決するためには理念の共有が必要でした。「新規のお客様の獲得より既存のお客様の満足」「良い商品の開発」「サービスの開発」など経営課題はたくさんあります。私が掲げた共有理念は「お客様のお困りごとを解決できる会社になろう そして、お客様に必要とされる会社になろう」でした。月に一度はお客様宅へ訪問して、「何かお困りごとはありますか、何でも言ってください」「必ず解決します」と、お客様のコンシェルジュになるべく努力を始めました。
 新たなビジネスモデルへのスタートはエアコン洗浄や取り替え、草刈りや木の剪定、外壁塗装などの便利屋作業でした。今後は高齢者の部屋の浴室清掃、見守りや買い物代行、介護タクシーなどの介護作業も企画中です。まだまだ、構想段階ですが、「気付き 気遣い 築きの元」を軸とした新たなお客様へのサービスを考えています。広域に広がっているため全ての店舗でできているかというとまだまだですが、着実に進めていきますので、よろしくお願いします。