Column / 社長コラム 社長コラム

2023.01.01

安倍晋三2・世界の真ん中で咲き誇れ

「菅義偉 弔辞」を要約
七月の、八日でした。信じられない一報を耳にし、とにかく一命をとりとめてほしい。あなたにお目にかかりたい、同じ空間で、同じ空気を共にしたい。その一心で、現地に向かい、そして、あなたならではの、あたたかな、ほほえみに、最後の一瞬、接することができました。しかし、安倍総理…と、お呼びしますが、ご覧になれますか。ここ、武道館の周りには、花をささげよう、国葬儀に立ちあおうと、たくさんの人が集まってくれています。二十代、三十代の人たちが、少なくないようです。総理、あなたは、今日よりも、明日の方が良くなる日本を創りたい。若い人たちに希望を持たせたいという、強い信念を持ち、毎日、毎日、国民に語りかけておられた。そして、「日本よ、日本人よ、世界の真ん中で咲きほこれ」これが、あなたの口癖でした。次の時代を担う人々が、未来を明るく思い描いて、初めて、経済も成長するのだと。いま、あなたを惜しむ若い人たちがこんなにもたくさんいるということは、歩みをともにした者として、これ以上に嬉しいことはありません。

平成十二年、日本政府は、北朝鮮にコメを送ろうとしておりました。私は、当選まだ二回の議員でしたが、「草の根の国民に届くのならよいが、その保証がない限り、軍部を肥やすようなことはすべきでない」と言って、自民党総務会で、大反対の意見をぶちましたところ、これが、新聞に載りました。すると、記事を見たあなたは、「会いたい」と、電話をかけてくれました。「菅さんの言っていることは正しい。北朝鮮が拉致した日本人を取り戻すため、一緒に行動してくれれば嬉しい」と、そういうお話でした。信念と迫力に満ちた、あの時のあなたの言葉は、その後の私自身の、政治活動の糧となりました。その、まっすぐな目、信念を貫こうとする姿勢に打たれ、私は、直感しました。この人こそは、いつか総理になる人、ならねばならない人なのだと、確信をしたのであります。

安倍総理。日本国は、あなたという歴史上かけがえのないリーダーをいただいたからこそ、特定秘密保護法、一連の平和安全法制、改正組織犯罪処罰法など、難しかった法案を、すべて成立させることができました。どのひとつを欠いても、我が国の安全は、確固たるものにはならない。あなたの信念、そして決意に、私たちは、とこしえの感謝をささげるものであります。国難を突破し、強い日本を創る。そして、真の平和国家日本を希求し、日本を、あらゆる分野で世界に貢献できる国にする。そんな、覚悟と、決断の毎日が続く中にあっても、総理、あなたは、常に笑顔を絶やさなかった。私だけではなく、すべてのスタッフたちが、あの厳しい日々の中で、明るく、生き生きと働いていたことを思い起こします。何度でも申し上げます。安倍総理、あなたは、我が日本国にとっての、真のリーダーでした。総理、本当に、ありがとうございました。どうか安らかに、お休みください。
<令和4・9/27 前内閣総理大臣、友人代表 菅義偉>

日本は20世紀の終わりから、平成の大不況という20年以上続くデフレスパイラルに入りました。そして、東京オリンピックが決まり、やっと光が見えてきた2020年、コロナで経済のほとんどがストップしてしまいました。これを不運だと片付けてしまうのは簡単なことですが、見方を変えると「何かに気づけ」という先人からのメッセージでもあるような気がします。「迷ったときこそ、原点に戻れ」とよく言われていますが、私たち日本人が忘れかけているものの中に、未来のヒントが隠されているのではないでしょうか。私たち日本人の先人は、敗戦後、焼け野原の中から奇跡と言われるような経済復興を果たしました。憲法が「変わり、それまで信じてきた日本人に流れていた歴史や哲学をほとんど否定された中からのスタートにもかかわらずです。しかし、高度経済成長が終わった頃から、日本の方向性は変わってきました。復興を成し遂げた世代は次第に引退し、その土台の上に立って、ぬくぬくと育てられた次の世代はバブルの崩壊あたりから、完全に方向性を見失ってしまいました。私は政治家ではありません。安倍総理と住む世界も、戦う場所も違いました。しかし、日本の国と日本人を愛する気持ちは同じだと思います。私はこの素晴らしい国がいつまでも平和で、人々が幸福に暮らしていける国であってほしいと心から願います。「日本の素晴らしさ」「日本人の美しさ」を今こそ取り戻し、「世界の真ん中咲き誇れ」と日本にエールを送りたいと思います
2023/01/01