Column / 社長コラム 社長コラム

2023.05.01

ツキを呼ぶ魔法の言葉・1

私は平成元年、27歳の時に牛乳宅配事業を起業しました。この34年間で、大きな経営危機が3度ありました。しかし、3度目の経営危機を最後に経営危機が無くなったように思います。
その理由は『ツキを呼ぶ魔法の言葉』という小冊子に出会ったからだと確信しています。
この小冊子は著者である五日市剛氏がイスラエルで出会ったお婆さんに教わった「言葉の大切さ」について書かれています。
お婆さん「心の持ち方って大事よ。だけど、もっと大事なのはね、言葉の使い方なの。どんな言葉を口にするかで、あなたの目の前の状況が変わってくれるし、あなたの心も変わってくるの。ほんとうよ」ピンチの時には「ありがとう」、良いことがあったら「感謝します」、いつも前向きに「ツイてる、ツイてる」、「言葉を変えると運命が変わる」と。最初は私も、そんな簡単に運命が変わるなんて、嘘のような話だと思いました。
しかし、タイミングよく4度の絶体絶命的な経営危機がきたので、実践してみることにしました。
その経営危機は、取引メーカーの多額リベートの削減要請でした。何もせずに、リベート削減を受け入れると万事休すです。恐る恐る「ツキを呼ぶ魔法の言葉」を使い、経営改善をやってみることにしました。まず私自身が、「よっしゃ、きたー、ありがとう」と、この経営危機をチャンスとして受け止めました。次に、2人の幹部社員に『ツキを呼ぶ魔法の言葉』の説明に加え、前向きに経営改善をするための戦略を伝え、私を含めて3人で役割を決めて挑みました。
経営幹部2人は「ありがとう」「感謝します」「ツイてる、ツイてる」と、事あるごとに唱えながら全店舗をまわり、獅子奮迅の活躍をしてくれました。その結果、リベート削減を受け入れても、V字で経営は改善していくのですが、同時に大きな痛みも伴いました。痛みの内容は、組織改革、仕事内容の改革、情報誌の廃止、店舗の集約などで、経営改善を進めていく過程で生じました。配達員の仕事項目が増えたり、不必要だと判断した部署を廃止したり、店舗を合併させたりと、効率が上がり、多くの経費が削減されましたが、広告費激減により取引していた業者との取引が停止したり、配達人件費の効率アップにより人件費が削減したり、予測はしていましたが多くの社員が不安に思い退社希望が続出し、寂しい思いをしました。
結局、この当時の経営改善が功を奏して(リベート削減額より、経費削減額が多くなり)大きく経営が好転してきたのです。それ以降も小さいピンチが何度もありましたが、危機らしい危機にはなりませんでした。本当に不思議です。
今回、紹介した4度目の経営危機は事なきを得ましたが、『ツキを呼ぶ魔法の言葉』に出会う前の1度目〜3度目に起きた経営危機は、眠れぬ日々もあるぐらい、とても辛く苦しいものでした。
■1度目【起業初期の試練】人が全員辞める→自己改革
■2度目【阪神淡路大震災の影響】配達先がゼロになる→アクシデントの受け止め方
■3度目【新規事業の失敗】マーケティングの甘さ
この3つでした。今思えば、その時期、その時期に経験すべき試練を経験させていただき有り難かったですし、経営を見直すチャンスだったとも言えます。
『ツキを呼ぶ魔法の言葉』を用いた経営改善を試してみて、最初は「心より、言葉が大切」というところがなかなか理解できませんでしたが、よく考えてみたら、私たちの心は意外と不安定で、言葉の影響を受けやすいものです。汚い言葉、マイナスな言葉を使うのをやめ、ニコッと笑ってプラスの言葉を口にすれば、自分の言葉も、相手の心も心地良い状態で安定し、自分の置かれた状況がどんなにピンチでも、必ず好転していくような気がします。
コロナが始まり3年が経ちました。当社デミックも社員と会うこともできず、店舗にも行けない状況の中、みんなの意識が統一できず、5番目の経営危機に陥っているように思います。久しぶりに『ツキを呼ぶ魔法の言葉』を用いた経営改善を行おうと考えています。次号、もしくはもう少し先になるかもしれませんが、パート2を書こうと思いますので、楽しみにしていてくださいね!
2023/05/01