Column 社長コラム
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2018.02.01
君たちはどう生きるか VOL.1
最近読んだ漫画「君たちはどう生きるか」に大きく心揺さぶられたので紹介させていただきます。原作者は吉野源三郎氏。今から80年前、1937年に新潮社から刊行された児童文学を羽賀翔一氏が漫画としてリニューアルしました。主人公は15歳の少年・本田潤一、あだ名は「コペル君」。父親は3年前に他界して、母親と暮らす。母の実弟「おじさん」と仲が良く、漫画ではコペル君の体験とおじさんのノートが交互に登場するつくりになっています。ある日2人で出かけたデパートの屋上。コペル君には屋上から見える人の流れが、まるで水の流れのように見えました。「目を凝らしても見えないような遠くにいる人たちだって、世の中の大きな流れを作っている一部、もちろん近くにいる人もおじさんも僕も」。自分の都合だけで捉える狭い世界から「広い世の中」の中にいる自分を見つめ直します。おじさんは、地球が宇宙の中心という天動説から、地球が太陽の周りを回っているという地動説を唱えた、コペルニクスのような発見だったとノートに書き記します。昔の人はみなコペルニクスが地動説を唱えるまで、太陽や星が地球の周りを回っていると信じていました。これは、一つはキリスト教の教会の教えで、地球が宇宙の中心だと信じていたせいもありますが、もう一歩深く考えると、人間はいつでも自分を中心としてモノを見たり考えたりする性質を持っているためなのです。ところが、コペルニクスがどうしても説明のつかない天文学上の事実に出会い、頭を悩ました末、思いきって地球の方が太陽の周りを回っていると考えてみると、今まで説明のつかなかったことが綺麗な法則で説明がつくようになりました。その後ガリレイやケプラーが研究を続け、今日では地動説が当たり前のことになりました。子供の頃は誰しも天動説のように自分を世の中の中心において物事を考えます。それが、子供から大人へと成長するにつれて大きな世の中で生きる自分を理解するようになります。
私が昔熱狂したキャロルという伝説的なバンドを思い出しました。キャロルはキャバレーでのバンド演奏を経てメジャーデビューを果たし、大ヒットを飛ばしますが、2年半後に電撃的に解散しました。そのリーダーが矢沢永吉でした。矢沢は「本気で成功する」と心に決めて広島から上京しました。他のメンバーは好きな音楽を楽しみ、デビューすることを最終目的に考えていたのだと思います。当たり前ですが音楽に対する姿勢も将来についても真面目に考えている矢沢とでは、ずれが生じてきます。矢沢はやっと軌道に乗ってきたので解散はしたくなかった。しかし、他のメンバー主導で解散が決まりました。矢沢は「俺はスーパースターになってやる」と、言葉通りの生き方をし、他3人とは大きく生き方が違っていきます。
天動説的な生き方をするか、地動説的な生き方をするかで人生は大きく変わります。大きな視野を持ち、目標を掲げ、自分自身を高めていくと、知らず知らずのうちに目標や夢のあり方が変わり、価値観や生き方が変わっていきます。同じように生きていても、普通の人たちに見えないものが見えるようになり、存在感が増し、周りから浮いた存在になることもあります。そこで大事なことは、周りの人に間違っていると批判されようが陰口を言われようが自分の考えを信じ貫き通すことです。それこそが人が生きる上での大義だと思います。みんなで一つの輪になって肩を寄せ合う生き方は、楽で小さな幸せがそこにはあるのかもしれません。しかし、未来こうなりたい、ああなりたいという願望のある人は、そんな輪を叩き壊して、羽ばたかなければなりません。周りの人が自分に対してどんなことを思っていたとしても、それは、自分の人生とは関わりのないことだと思うから…。
2018/02/01 -
2018.01.01
日本覚醒
海外へよく出掛けるようになり、日本と海外の国々の違いを感じることが多々あります。日本人の素晴らしい点は、誠実、素直、約束や時間を守る、義理と人情などを重んじるところだと思います。日本人は基本「こんなことをしたら相手が困る」「こんなことをしたら相手はどう思うだろうか」と相手のことを気遣います。しかし、外国人は「自分がどうしたいか」この考えに基づいて行動する人が主流だと思います。どちらが良い、悪いという話ではなく、世界には様々な価値観や考え方があり、日本人の当たり前は、むしろ世界では当たり前のことは少なく、珍しいことだと認識しておく必要が有ります。そして、一昔前の海外では日本人のビジネスマンや若者が目立っていましたが、最近はどこへ行っても中国・韓国のビジネスマンや若者達の勢いを感じます。彼らの海外にかける思いは日本のビジネスマンや若者とは比較になりません。原則ルールは無用、あるとすれば弱肉強食、白か黒か、勝つか負けるか、やるかやられるか。そして未来は、中国や韓国だけではなく、多くの発展途上国が世界へ出てくるでしょう。このような環境下で、次世代人たちは日本という国を背負い戦い、生き抜かなくてはなりません。海外の考え方を知った上で、したたかさや多少のずるさも必要なのではないでしょうか。
海外に出てみよう。横並びで「個」は育たない、「個」を育てたければとにかく海外に出ることだと思います。何でもない自分、ちっぽけな自分を全身で感じて、そこから自分で立つ。個を成長させるホップ・ステップ・ジャンプがあるとするならば、ホップ「自立する」、ステップ「自信(個として)をつかむ」、ジャンプ「自由(本当の意味での)を手にする」ではないでしょうか。
バブル崩壊、政治の停滞、中国の台頭、失われた20年を経て、尚も傾き続ける日本。2030年、団塊の世代が80歳を超え、団塊ジュニアが60代に差し掛るときまでに大きな変化がなければ、日本の未来は暗雲立ち込め、もっと悲惨な状況が待ち受けているように思います。近い未来、今ある職業の40%は消えて無くなると言われています。Amazon(アマゾン)に潰された本屋、UBER(ウーバー)の出現により消えていったタクシー、やがて自動運転になりロボットタクシーになるでしょう。職業は「永遠に続く時代」から「寿命がある時代」へと変化しました。今後ますます変わりゆくスピードは速くなると思います。未来は勝手に来ています。走るコースも乗り物も大きく変わるでしょう。何が必要になり、何が不必要になるのか?どの職業がなくなり、何が職業となるのか?一つ一つ整理し、対応しなければなりません。日本の未来に憂いを感じているのは私だけでしょうか。現状を自覚し、発奮しなければ、この窮地を乗り越えることはできません。だから声を大にして言いたい。どこに向かい、何を目指すのか。ここで変わらず、いつ変わるのか。ここで動かず、いつ動くのか。ここで立ち上がらず、いつ立ち上がるのか。日本という国の未来を自分のことのように案じています。歳のせいかもしれませんね。
2018/01/01