Column 社長コラム
-
2025.06.01
自己重要感Vol.3
前回のコラムで人を動かすために重要な力として「人としての魅力」を磨く必要があると書かせていただきました。今回のコラムでは「人を動かす力」と「人としての魅力」を磨くための方法について触れていきます。
人を動かすためには、必ず1番最初に動かなければならない人がいます。それは自分自身です。つまり、自分自身が動かなければ何も始まりません。自分が動かなければ、人は動くはずはありません。成功とは人が自分のために動いてくれるかどうか、この1点にかかっています。自分にその魅力がないと言うのに人を動かそうと思うのは無理な話です。人をどうやってコントロールし、動かそうかと考えるよりも、逆にその人たちに、どう喜んでもらうのかを考えてみる。その上で、どうしたらその人たちが幸せに近づけるのかを考えて、言葉をかけて、接していくと勝手に人が動きだしてくれるようになります。そのために、どんな言葉をかければ良いか?どんな態度を取れば良いか?そこで重要になってくるのが「自己重要感」だと思います。
現代を生きる人たちが1番求めているもの。いや、もはや渇望し、餓えているといっても良いかもしれない感覚です。自己重要感を満たす言葉こそが、人に好かれる魔法の言葉ではないでしょうか。なぜならば、人の持つ「認められたい」という願望は誰からも教わってない、幼少の頃から本能的に身についています。男の子が漫画のヒーローに影響を受けたり、女の子がお姫様のような生活に憧れや共感することが多いのも「認められたい」という願いであり、物心ついた時には既に身についている自己重要感が表面化したものであるといえます。
しかし、なぜか人は自分の自己重要感は満たしたがるのにもかかわらず、他者の重要感を満たさずに奪おうとします。人のものを奪うエネルギーがあるのなら、人を褒めることに使えばいいのではないかと思いますが、なかなかそういうわけにはいきません。その根底には、劣等感が邪魔をしてしまう、自分が満たされていないから、といった原因があるのかもしれません。自分が満たされてない人は他者からエネルギーを奪う傾向があります。
でも、これではいつまで経っても人が動きたくなるような魅力のある人物にはなれません。こうならないためには、まずは自分自身が幸せになる必要があります。他者の自己重要感を満たすためにもまず自分が幸せになることを覚えておく。成功者の言葉には人の人生を大きく変えていく力があると聞いたことがあります。成功するのは人に自己重要感を与えられる人になるためだと心に刻む必要がありますね。
-
2025.05.01
自己重要感Vol.2
前回に続き、今回も自己重要感について掘り下げて書かせていただきます。
自己重要感について触れる前に書いておきたい話題があります。それは「成功」についてです。成功には色々ありますが、大きく分けて2つあるように思います。1つは社会的な成功(事業の成功、金銭的な成功)。もう1つは、人としての成功(自己成長、心の豊かさ)。この2つの成功には、共通して無くてはならない力があります。商売するにも、人材育成するにも、サラリーマンとして企業に属して働くにしても、結婚生活においても、これが無ければ絶対に上手くいかない力。逆にいうと、ここさえできていれば、何をやっても上手くいく必要不可欠な力。それはズバリ「人を動かす力」であると思います。今回のコラムでは「人を動かす力」のことを、その人の為に他者が自然と動きたくなるような、「人としての魅力」であると定義づけて書き進めてみます。
仮に今、上手くいっていない人に「人としての魅力」が足りていないとすると大変です。店にお客さんが来ないのも、彼女ができないのも、人を育成できないのも、魅力がないが故に上手くいきません。成功に必要な「人としての魅力」は、人生を大きく変えるために必要不可欠な力だと考えます。
過去を振り返ると、江戸時代から昭和初期までは家柄の時代でした。日本では権威で命令することが、「人を動かす力」を意味していたように思います。しかし、現代の日本でそれをやると反感を買ってしまい、まず人は動かなくなります。なぜならば、日本の国は豊かになり、権威によって無理強いされながら働かなくても、生活が支えられる社会環境が整っているからです。権威で人を動かす時代は終わりました。では、どうすれば人が動くのか?その根幹にあるモノが人の『魅力』で、これこそが他者を動かす原動力です。これからは、ますます人を動かす力が大切な時代が来るように思います。地位や肩書きではなくて、その人の人間的な魅力が成功の命綱になってきます。これまでの時代では、「あなたの仕事はなんですか?」「あなたの役職はなんですか?」と問われていました。それが、「あなたはどんな人ですか?」と問われる時代へと変化し、新しい価値観の時代がやってきたように思います。
この新しい価値観に対して経営者としての自分は、どんな言葉をかければ良いか?どんな態度を取れば良いか?それを考えることが、私の1番の課題だと思っています。
では、どのようにして「人を動かす力」や「人としての魅力」を磨いていけばよいでしょうか。それは次回のコラムにて書かせていただきます。 -
2025.04.01
自己重要感vol.1
6年間務めた、尼崎青年会議所シニアクラブ会長職を退任しました。就任前に前会長から「会長をやり終えたらステージが2つ上がるよ」と言っていただきましたが、終えた今、思うことは、ステージが2つどころではなく、5つも6つも上がったと実感しています。人のステージとは、考え方、在り方など、心の根幹の部分を指していると思います。
今回のコラムでは、シニアクラブの会長職での経験から私が得た考え方、そして、人が欲するモノについての気づきを振り返ってみます。
2019年2月シニアクラブ会長就任。就任した翌年に早速コロナが到来しました。長引くコロナ禍、シニアクラブの舵取りで多くの苦悩がありましたが、逆にその過程で多くの学びを得ました。シニアクラブの活動は『組織運営(総会、理事会)』『親睦(ゴルフ、旅行)』『家族交流事業(宝塚歌劇、花火クルーズ)』『お祝い(賀の祝い)』『現役会員との交流』などがあります。しかし、コロナ禍は多くのスケジュールをキャンセルしたり、デジタルなどに切り替えて開催することを余儀なくされました。
この困難な場面を最初は「私が何とかしなければならない」と強く考えて行動していましたが、逆に空回りしてしまいました。自分自身の無力さを強く感じます。動けない、集まれない、話せない環境の中、何もできない自分を知り、この状況を打開する方法を毎日考えていました。しかしながら、長引くコロナ禍で考え続けた私は、やや開き直り「なるようにしかならない」と考えるようになりました。心境は「オレがやる」から「なるようになる」、そして「まわりに任せる」へと変化していきます。私が理事メンバーに発する言葉は「任せる」「信じている」「大丈夫」「できるよ」「感謝している」「ありがとう」などの言葉でした。その時、私が知らず知らずにかけていた言葉は自己重要感を感じられる言葉でした。この自己重要感を高める言葉使いは、シニアクラブを動かす大きな原動力になったように思います。
今の時代を生きる人たちが求めているモノ。いや、餓えるほどに渇望しているモノ。それは「自己重要感」ではないでしょうか。人は誰しも認められたいという欲求を持っています。昔、戦争を経験した日本人はとにかく腹いっぱい食べることが最大の欲求でしたが、今の日本は飽食の時代です。1つの欲求が満足すると、人間は次の欲求が出てきます。まずは生存欲求、そして、次が群居衝動欲求(仲間が欲しい)、自己重要感(認められたい)、性欲、好奇心、大きく分けても実に様々な欲求があります。そんな中で現代の日本人が求めている1番の欲求は『自己重要感』である。シニアクラブの会長職を経験して現代日本人の根幹をなす欲求に気づくことができました。 -
2025.03.01
人を活かす
「モノを作る前にまず人をつくる」これは松下電器(現Panasonic)の創業者・松下幸之助氏の言葉です。松下電器は何を作るところかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところです。合わせて電気器具も作っております、と答えるように常日頃から幸之助に言われていました。幸之助曰く「事業は人にあり、つまり人がまず養成されなければ、人として成長しない人をもってして、事業は成功しないと。したがって電気器具そのものを作る事は誠に極めて重大な使命でございますが、それをなすには、それに先んじて、人を養成するということでなくてはならない」。経営者となり、30年以上が過ぎ、今更と思われるかもしれませんが、弊社が抱える今現在一番の経営課題は「リーダーの育成」だと考えています。
2022年、寿司屋、割烹、ラーメン、カレー、パン屋、ケーキ屋、買取専門店など多くの事業をスタートさせましたが、寿司屋を除いて苦戦が続きました。そして、寿司屋自体も、料理長が変わってからの黒字化となりました。私の見解ですが、飲食店は料理長や店長の料理の腕もさることながら、人となりが大事であると考えます。
それ程、飲食経営の現場において、人となりの影響が顕著に表れます。この人に任せているとなぜかうまくいく。この人の周りはいつも人間関係がギクシャクする。といった経営状況の善し悪しはその店のリーダーによるところが大きいというのが結論となります。
一見、企業経営には色々な課題があります。「仕入れ・製造」そして「販売」や「人事」さらには「広報」等など。これらに地域ごとの特質や日本の社会的な問題などが含まれる場合もあり非常に複雑です。しかし、突き詰めていくと、どの課題も結局は人の問題に辿り着きます。経営といい、商売といい、その内容、その在り方を左右するものは、人であると確信しています。この世の中の全ての事象に「人」が関わっており、「人」無くして考えられません。どのような問題であろうと、人との関わりがあるからこそ問題になりえるのです。これは事業、経営、商売も然り、当たり前のことなのです。だからこそ、我々は常に「人」の本質を研究していく必要があります。「人」の本質を見極め、事業の各面に活かしていく未来に、真に望ましい経営の在り方が生まれてくるのではないかと思います。今日のような厳しい経営環境においては、特に「人を活かす」ことが優先事項であるように思います。
私が起業してから社内での役割は、今日までずっと、全てを考え、全てを自分で決めて、全てを指示する。「エースで4番」です。これではいけないと思いながらも、ずっと変えられずにいました。では、私はどのような役割に変われば良いのか?理想は「補欠でキャプテン」であると考えています。振り返ると、私は昔から人を育てるのが苦手でした。いつも我慢できずに「あーしろ、こーしろ」と指示を出してしまいます。しかし、これからは私自身が最も苦手な分野である、社員が自分達で「考える、動く」まで待つ。そして「信じて励ます」こういったことを重視しながら徐々に「補欠でキャプテン」に変わっていこうと思います。
-
2025.02.01
運の良い人・悪い人 vol.2
先月のコラムで「運気を上げる方法」について色々と書きましたが、今月は簡単に始められる「人生を好転させる方法」をいくつか書かせていただきます。
まずは「言葉を変える」ことです。「素敵な言葉」「丁寧な言葉」「品のある言葉」など、人によって言葉の特徴はありますが「この言い方、素敵だな」と思える他人の言葉を意識してどんどん吸収すると良い人生になるようです。言葉というものは不思議なもので丁寧な言葉を使うと相手も丁寧な対応をしてくれたり、逆に、雑な言葉を使う人は雑に扱われがちだったりします。まさに人生は言葉でできているといえます。素敵な言葉を真似ることは、とても簡単で、すぐに始められる開運方法の1つだそうです。
もう1つの方法は「いつでも笑顔でいること」です。日々、笑顔で楽しそうに過ごしていると、自然と幸せになってくるものです。幸せの先に笑顔があるのではなく、先に笑顔でいると幸せが後から追いかけてくるようです。笑顔で生きる覚悟を持ってください。大袈裟に思われるかもしれませんが、人生は良いことばかりではありません。悪い時、苦しい時もあります。でも、そんな時ほど笑顔でいる覚悟。どんな転び方をしても、必ず笑顔で立ち上がる覚悟が必要です。また、急いで生きることが良いわけでもなく、堅く生きることが良いわけでもありません。ゆっくりでものんびりでも、堅くても冒険しても、その時、その時の人生を楽しむ覚悟がとても大事だと思います。
逆に、運気を下げてしまう行為も書いておきます。
「人への愚痴、悪口」「言い訳」。人に対しての愚痴、悪口、また言い訳ばかりしている人には、明るい未来も幸運もやってきません。言い訳から得るものは何もありません。できない理由、できない原因を愚痴ってもいいけれど、その後、問題をどうすれば良いのか?できない理由を解決したらできるようになるのか?と考えることが大切です。結局はできないから、その理由や原因を見つけているだけなのではありませんか。言い訳できなくなったら、できない自分を認めなくてはならなくなる。それが嫌だからできない理由と原因を一生懸命探して、言い訳をしている。自分に問題があって、自分が変わらなくてはならない時に、人は言い訳を考えます。できない理由と原因が口について出たら、自分が変わる時。自分の考え方、自分のやり方、自分の意見を変える時だと考えましょう。言い訳するなら、何をどう変えたら良いか考えてみるといいですね。「すぐにやっても、うまくいかなかった」これも言い訳。人生うまくいかないことが当たり前で変わるタイミングが来ているだけ。
また、完璧主義も良くないようです。長く生きていると完璧な人生にはならないことがよく分かってきます。不完全でいい、いい加減でいい。大切なのは甘え上手であることや愛嬌、親しみやすい生き方、明るい人間性で生きることです。ついつい助けたくなるような人には運がついてきます。同時に2つ、3つ、4つとやることは完璧主義にはできない、1つを完璧にやってから、次へ行こうとすると、結果1つもやりきれないことが多いように思います。
ほんの少し「言葉遣いを変える」「考え方を変える」「生き方を変える」「行動を変える」人生この「ほんの少し」で変わってきます。
「ほんの少し」とは楽な方へ進むことではありません。成功しない人の多くは、「ほんの少し」を楽な方向と勘違いし進んでしまいます。「楽」の先には幸せ、豊かさが無いのは当たり前です。
そして、成功にはリスクがつきものです。安心、安全な道はどこにもありません。リスクを取らない人は前へ進めない。人生の目標のために、リスクを楽しく、面白がって受け入れる人が、自分の夢や希望を叶えられる人であるように思います。
-
2025.01.01
運の良い人・悪い人 vol.1
多くの成功者に成功の要因を尋ねると、ほとんどの方は「運が良かった」と言います。自分の能力や努力ではなく、自分ではどうにもならない運の良さを1番の成功要因に掲げています。「運の良い人」と「運の悪い人」は何が違うのでしょうか?
ある有名経営者の言葉に次のようなものがあります。「成功するポイントのほとんど運が占めると思う。努力というのはその中の1割ぐらい。ほとんどが運です。どのタイミングで誰と出会って、何を得るかが重要です。動くこと、人と出会うことが運を上げる始まりだと思う。そこから何かが始まっていくように思います。また、運を持っている人の近くにいると、自分も引き上げられる。運気は同じぐらいの人同士は共鳴するけど、出会った2人の運気に差がある場合は共鳴しないことが多いかな。運の悪い人たち同士集まるとドンドン落ちていく。この人、運がありそうだと思ったら、飛び込んでみるといい。自分も一緒に成長していくと思うから。総じて成功のためには運を掴むしかない。でも運が巡ってきた時に、実力を発揮できるだけの努力というプロセスが必要です。運だけでなくて実力がないと運は巡ってこないかな。」
そして、このように続きます。「自分にとって好まざるネガティブ現象が起こると運気が上がる前兆なので、ネガティブを前向きに受け入れることが重要ですね。もしくはそれを意図的に起こさないと運気は上がらない。成功していてステージを上げていく人達もわかって、やっているわけでは無くて、後になり“こうだったんだ”ということが理解できることが多い。スティーブ・ジョブスはその典型的な例で、アップルをクビになるんだけど、あの時のクビは人生が変わるポイントだったんだ。」
次は有名な占い師の言葉です。「占いという学問をどれだけ突き詰めても、人の未来を言い当てることはできない。できるとしたら、たった1%!じゃあ、99%は自分で決められる。そのことを運命という。つまり、自分で選択することができる。そのことを運命って言うんだよ。占い師のやることは、1%のきっかけを与えて、99%の人生を自分で決めるとことを伝えること」
私自身の人生を振り返ると幾度となくピンチがありました。その度にピンチと向き合い、乗り越えてきました。しかし、全てのピンチを乗り越えられるとは限りません。これだという明確な対処法もありませんが、運を掴みピンチを乗り越えるため、藁にもすがる想いの中で始めた習慣が3つあります。1番に「墓参り・先祖供養」。2番目は寝る前に「ありがとう」「感謝します」「私はついている」と唱える。3番目は神社仏閣へのお参り。人はピンチのど真ん中にいると心が弱り、孤独の中でネガティブな思いを巡らしてしまいます。そんな中で静かに見守ってくれた家族、同じ目的を共有する従業員(というより仲間)には大きな感謝の気持ちを抱くようになりました。感謝の気持ち「ありがとう」は5000回唱えると奇跡が起こるそうです。運気を上げるために朝の散歩の時に試しているのですが、いつも途中で数がわからなくなってしまいます。皆さん、是非試してみてください。